◎この記事でわかること
- キャリアブレイクとは何か、そしてなぜ日本ではネガティブに捉えられがちなのか。
- 仕事を一生懸命やった結果、見えてきた不満から、退職という選択肢を選んだ僕の論理的な理由。
- キャリアブレイクを成功させるために、**最も重要だった「ポータブルスキル」**の正体。
キャリアブレイクのイメージ
あなたは「キャリアブレイク」という言葉を聞いて、どんなイメージを抱きますか?
日本では、「キャリアに穴が開く」「転職に不利になる」といったネガティブな捉え方が一般的です。「休んでいる間何をしていたんだろう?」「逃げてるだけなのでは?」と、思われるからかもしれません。
日本社会では、終身雇用を前提とした文化が根強く、一度レールから外れると、元の道に戻るのが難しいと思われがちです。
それでもキャリアブレイクを選んだわけ
僕は会社員として、特にトラブル対応では全力でトラブルの解決に取り組んでいました。おかげで成果も出せ、一定の評価も得られたと思っています。
しかしひと段落した時、ふと冷静に自分の仕事を見つめ直しました。
そこには、非効率なプロセス、不合理な人間関係、そして何よりも、自分の時間とエネルギーが、本当にやりたいことに使えていないという大きな不満がありました。このまま頑張り続けても、社員の多くが変わらない限り根本的な問題は解決しないだろう、と考えていました。
そこで僕は、休職ではなく、一度会社を離れるという決断を下しました。これは、決して仕事から逃げたわけではありません。むしろ、今後のキャリアを主体的に、そして論理的に立て直すための重要なプロセスだと捉えたからです。
ちなみに会社としては変わろうとしていて、その変革スピードや理念などとても共感してます。あと数年我慢できれば根本的な問題も解決してそうなんですけどね笑
海外でのキャリアブレイク事情
諸外国、特にアメリカなどでは、キャリアブレイクはネガティブに捉えられないようです。むしろ、自己啓発やスキルアップのための前向きな選択肢だと見なされます。
これは、彼らが「キャリアオーナーシップ」と「能力主義」という考え方を強く持っているからです。
- キャリアオーナーシップ: 自分のキャリアは、会社任せにせず、自分で責任を持って決めるもの。
- 能力主義: 経歴ではなく、個人の能力そのものを評価する。
たとえ経歴にブランクがあっても、その期間に何を学び、どんな能力を身につけたかが重要視されます。能力さえあれば、いつでも再出発できるという考え方です。
決断を支えた「ポータブルスキル」という自信
キャリアブレイクという大きな一歩を踏み出せたのは、ポータブルスキルの存在を意識していたからです。
これは、特定の職種や業界だけで通用する専門スキル(テクニカルスキル)とは異なり、どんな職場でも、どんな仕事でも役立つ汎用性の高い能力を指します。
経済産業省の定義によると、ポータブルスキルは以下の3つの要素で構成されます。
- 仕事の仕方: 課題を明らかにし、目標を設定し、実行する力
- 人との関わり方: リーダーシップやコミュニケーション力、人を巻き込む力
- 専門的な知識・技能: 専門分野の知識やノウハウ
僕の場合、SEとして20年間培ってきた論理的思考力、プロジェクトの進め方、問題解決力は、まさにポータブルスキルそのものでした。
これらのスキルは、たとえ会社を離れても失われることのない、自分だけの資産です。この資産を持っているという自信が、僕の不安を大きく軽減してくれました。
ポータブルスキルはキャリアブレイク中でも身につけられる
会社を辞める前にポータブルスキルを身につけておくことは、もちろん理想的です。しかし、それがすべてではありません。
本当に大事なのは、学び続ける姿勢と、新しいことへの好奇心です。
キャリアブレイク中に新たな分野の資格を取ったり、副業に挑戦したりすることで、ポータブルスキルはさらに磨かれていきます。
人生100年時代、一つの会社に居続けることが、もはや正解とは限りません。
キャリアに穴が空くことを恐れるのではなく、自分の人生を探求するための大切な時間だと捉える。そうした考え方が、あなたのキャリアブレイクを、ただの空白期間ではなく、未来への道筋を見つけるための羅針盤に変えてくれるはずです。
コーチングのご依頼や、キャリア、働き方に関するご相談、ブログへのご感想など、どのような内容でもお気軽にお聞かせください。
あなたの「探求活動」を、一歩前に進めるきっかけになれば幸いです。



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